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デジタル化・AI導入補助金2026とは?AIツールに使える経費・使えない経費と申請の段取り【中小企業向け】

この記事でわかること

  • デジタル化・AI導入補助金2026の仕組みと、IT導入補助金から変わった点
  • 通常枠の補助額・補助率と、対象になる経費の3つの分類
  • AIの導入で補助の対象になる経費・ならない経費
  • 申請の流れと、締切から逆算した準備の段取り

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「AIを入れたいけれど、使える補助金はないだろうか」と調べ始めると、「デジタル化・AI導入補助金」という名前が出てきます。
2025年まで「IT導入補助金」と呼ばれていた制度が、名前を変えて続いているものです(出典:事務局「お知らせ」)。
AIの導入を任された推進担当の方や経営者の方の中には、AIの研修やコンサルにも使えるのか、何から準備すればよいのか、迷われている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、AIツールの導入を考えている中小企業の方に向けて、デジタル化・AI導入補助金2026の仕組みと、AIの導入で使える経費・使えない経費を整理します。
数字と条件は、事務局の公式サイトと公募要領(通常枠・2026年10月9日版)で確かめた内容です。
制度は公募の回ごとに見直されることがある為、申請の前には必ず最新の公募要領をご確認ください。

デジタル化・AI導入補助金は何に使える?——結論から


先に結論をお伝えします。
デジタル化・AI導入補助金は、AI機能を含む業務ソフトなどの「ITツール」を導入する費用の一部を補助する制度で、研修やコンサルはソフトウェアとセットで導入する場合にだけ対象になります。(出典:公募要領(通常枠)14ページ)
押さえておきたい点は次の3つです。

デジタル化・AI導入補助金の3つのポイント

01

ソフトウェアが必ず入る

通常枠は、事務局に登録された業務ソフトの導入が前提です

02

研修・コンサルはセットのときだけ

研修や顧問の契約だけでは申請できません

03

申請は販売側と一緒に

IT導入支援事業者と組んで申請します

※出典:事務局「通常枠」・公募要領(通常枠)14ページ・事務局「制度概要」

社員にAIの研修を受けてもらうことが目的であれば、厚生労働省の人材開発支援助成金の方が合う場合があります。
研修に使える助成金はAI研修に使える助成金とは?で詳しく解説しています。

デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠で、対象になる経費(業務ソフトの利用料、ソフトとセットの導入設定・導入研修・コンサル)と、単独では対象外の経費(AI研修だけ、コンサル・顧問だけ、汎用ツールだけ、パソコン・タブレット)を分けた図

デジタル化・AI導入補助金2026とは?IT導入補助金から変わった点


デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者が生産性を高めるITツール(IT=情報技術を使ったソフトウェアやクラウドサービスなど)を導入する費用の一部を補助する国の制度です(出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)4ページ)。
クラウドサービスとは、自社のパソコンに入れるのではなく、インターネットを通じて利用するソフトウェアのことです。
独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が実施し、申請は事務局のポータルサイトから行います。

名前が変わったのは、令和7年度補正予算の事業からです。
事務局は、より踏み込んだデジタル化の推進とAIの活用が重要であることを広く周知する為に名前を変えた、と説明しています(出典:デジタル化・AI導入補助金 事務局「お知らせ」)。
あわせて、補助の対象になるツールを探す「ITツール検索」で、AI機能を持つツールを絞り込めるようになりました。
ただし、AIツールとして表示されるのは、ツールを登録する事業者がAI機能ありとして申請したものに限られます(出典:事務局「お知らせ」)。

補助の枠は5つあり、目的によって使う枠が変わります。
表の中のインボイスとは、消費税の税率や税額などを記載した適格請求書のことです。
この記事では、AIを含む業務ソフトの導入で中心になる「通常枠」を詳しく扱います。

※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧ください

枠 主な目的 補助額の上限
通常枠 業務ソフトの導入で生産性を高める 450万円
インボイス枠(インボイス対応類型) 会計・受発注・決済のソフトでインボイスに対応する 350万円(ITツール)
インボイス枠(電子取引類型) 取引先と使う受発注のシステムを導入する 350万円
セキュリティ対策推進枠 サイバー攻撃への対策サービスを導入する 150万円
複数者連携デジタル化・AI導入枠 商店街など複数の事業者がまとめて導入する 3,000万円(基盤導入経費と消費動向等分析経費の合計)

※出典:事務局の各枠のページ(通常枠・インボイス対応類型・電子取引類型・セキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠)。
インボイス対応類型では、パソコン・タブレットなど(上限10万円)とレジ・券売機など(上限20万円)も、ソフトウェアとあわせて対象になります。

通常枠の補助額・補助率と対象経費


通常枠の補助額は、導入するソフトウェアが受け持つ「業務プロセス」の数で決まります。
業務プロセスとは、顧客対応・販売支援や、会計・財務・経営といった、ソフトウェアで効率化できる業務の種類のことです。

業務プロセスの数 補助額 補助率
1つ以上 5万円以上150万円未満 1/2以内
4つ以上 150万円以上450万円以下 1/2以内

地域別最低賃金に近い賃金で働く従業員が一定の割合以上いる事業者は、補助率が2/3以内に上がります(出典:事務局「通常枠」)。
この条件は、第7次の公募から令和8年度の最低賃金に合わせて見直されています(出典:事務局「お知らせ」)。

補助の対象になる経費は、「ソフトウェア」「オプション」「役務」の3つに分かれます。
役務とは、ソフトウェアを使えるようにする為のコンサルティングや研修、保守などのサービスのことです。

分類 対象になるもの 補助の範囲
ソフトウェア(必須) 業務ソフト・クラウドサービス 月額・年額の利用料は最大2年分
オプション 機能拡張・データ連携ツール・セキュリティ 最大1年分
役務 導入・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート 合計200万円まで

※出典:公募要領(通常枠)14ページ。
役務の上限は、たとえばコンサルティング・研修・保守がそれぞれ70万円で合計210万円の場合でも、補助の対象になる経費は200万円までです。

ここで大事なのは、役務の扱いです。
コンサルティングや研修などの役務は、申請するソフトウェアと対になっているものに限り、申請することができます。
また、導入するITツールに比べて役務の費用の割合が著しく高くないことも、申請の要件になっています(出典:公募要領(通常枠)14ページ・8ページ)。

AIの導入で補助の対象になる経費・ならない経費


ここまでの決まりを、AIの導入でよく出てくる費用に当てはめると、次のようになります。
どれも通常枠で申請する場合の目安で、最終的な判断は事務局の審査で行われます。

※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧ください

費用の例 通常枠の対象 理由
AI機能を持つ業務ソフトの利用料 対象 事務局に登録されたソフトウェアであれば対象
そのソフトの導入設定・社員向けの導入研修 対象 ソフトウェアと対になっている役務
AI研修だけ 対象外 ソフトウェアを導入しない役務だけの申請はできない
AIコンサル・顧問の契約だけ 対象外 同上
業種や業務を問わない汎用ツールだけ 単独では対象外 業務プロセスを持つソフトウェアとの組み合わせが必要
パソコン・タブレットの購入 対象外 通常枠の経費にハードウェアは含まれない
交付決定の前に契約・支払いした費用 原則対象外 交付決定のあとに契約・導入する必要がある

※出典:公募要領(通常枠)14〜15ページ、事務局「通常枠」、J-Net21(中小機構)。

読み違えやすいのは、「AI」と名前の付いた補助金なので、AIに関わる費用ならどれでも使える、という受け止め方です。
実際には、補助の中心はあくまでソフトウェアで、研修やコンサルはソフトウェアを使いこなす為の付帯の費用という位置付けです。
「社員がAIを使えるようにしたい」のか、「AI機能のある業務ソフトを入れたい」のかで、使う制度が変わると考えています。

目的 合う制度
AI機能のある業務ソフトを入れたい デジタル化・AI導入補助金
社員にAIの研修を受けてもらいたい 人材開発支援助成金(厚生労働省)

なお、人材開発支援助成金も2026年8月の改正で対象になる研修の条件が変わっています。
詳しくはAI研修に使える助成金とは?をご覧ください。

申請の流れと、締切に間に合わせる段取り


デジタル化・AI導入補助金は、導入する会社が1社で申請するのではなく、ITツールを販売する「IT導入支援事業者」と組んで申請します(出典:事務局「制度概要」)。
IT導入支援事業者とは、事務局の審査を経て登録された、ITツールの販売や導入の支援を行う事業者のことです。
申請までの流れは次のとおりです。

  1. どの業務に、どんなAIを入れるかを決める
  2. 事務局のITツール検索で、登録されたツールとIT導入支援事業者を探す
  3. GビズIDプライムを取得する(発行までおおむね2週間・出典:事務局「申請前の手続き」)
  4. SECURITY ACTIONの★一つ星か★★二つ星を宣言する(おおむね2〜3日・出典:同上)
  5. IT導入支援事業者と一緒に交付申請を出す
  6. 交付決定を受けてから、契約・支払い・導入をする
  7. 事業実績報告を出し、補助金を受け取る
  8. 受け取ったあとも、導入の効果を報告する

GビズIDプライムは、国の補助金の電子申請に使う法人向けのアカウントです。
SECURITY ACTIONは、情報セキュリティに取り組むことを自分で宣言する独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の制度です(出典:事務局「申請前の手続き」)。
GビズIDの発行に2週間ほどかかる為、締切の3週間ほど前には準備を始めることを推奨します。

デジタル化・AI導入補助金2026の申請の準備を締切から逆算した図。3週間前にGビズIDの申請と業務の決定、2週間前に支援事業者とツールの決定、1週間前にSECURITY ACTIONの宣言と申請内容の確認、締切日は17時で受付終了。契約・支払い・導入は交付決定のあと

締切から逆算すると、準備の目安は次のようになります。
GビズIDとSECURITY ACTIONの日数は事務局の目安で、それ以外は弊社がおすすめする進め方です。

時期 やること
締切の3週間前 GビズIDプライムを申請し、AIを入れる業務を決める
締切の2週間前 IT導入支援事業者を選び、ツールと見積もりを固める
締切の1週間前 SECURITY ACTIONを宣言し、申請の内容を確認する
締切日の17時 受付の終了

事務局は、締切を過ぎた申請はいかなる理由でも受け付けないとしています(出典:事務局「事業スケジュール」)。
締切の当日は申請が集まりやすい為、余裕を持って提出することを推奨します。

IT導入支援事業者に確かめておきたいこと

申請はIT導入支援事業者と一緒に進める為、最初の打ち合わせで次の点を確かめておくと、あとから「補助の対象ではなかった」と分かる事態を避けやすくなります。

確かめること 理由
入れたいツールが登録されているか 登録されたITツールだけが補助の対象になる
ツールが持つ業務プロセスの数 数によって申請できる補助額が変わる
導入研修や設定が申請に含まれるか ソフトと対になった役務として登録されていないと対象にならない
契約と支払いの時期 交付決定の前に契約すると対象外になる
効果報告まで支援してもらえるか 報告を出さないと返還を求められる

※出典:公募要領(通常枠)14ページ(登録されたITツール・役務の条件)、事務局「通常枠」(業務プロセスの数と補助額)、J-Net21(中小機構)(交付決定の前の契約)、事務局「お知らせ」(効果報告の未提出による返還)。

締切は年に数回あり、たとえば6次締切は2026年10月30日(金)17時、交付決定は12月10日(予定)、事業の実施と実績報告の期限は2027年5月31日(予定)です(出典:事務局「事業スケジュール」)。
次回以降の締切は、事務局のスケジュールのページで順次公表されます。

申請前に確かめたい注意点——賃上げの計画と返還


補助金は、受け取って終わりではありません。
申請する金額や過去の受給の有無によっては、賃上げの計画を立てて従業員に表明することが申請の要件になります。

確かめること 内容
申請の回数 通常枠は、交付申請の期間中に1法人1申請まで
150万円以上を申請する場合 3年間の事業計画で、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%以上と、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする計画を立て、従業員に表明する
IT導入補助金2022〜2025で交付を受けた場合 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上にする計画が必要(150万円未満の申請でも必要)
要件を達成できなかった場合 補助金の全部または一部の返還を求められる
効果報告を出さなかった場合 補助金の全部または一部の返還を求められる

※出典:公募要領(通常枠)9〜10ページ、事務局「お知らせ」。
医療機関など、賃上げの要件が適用されない事業者もあります。

たとえば公募要領では、450万円の交付を受けた事業者が事業場内最低賃金の要件を1年度目で達成できなかった場合、全額の返還を求めると例示しています(出典:公募要領(通常枠)10ページ)。
申請の前に、3年間の賃上げを続けられるかを社内で確かめておくことを推奨します。

AI導入支援を受ける前に決めておきたいこと


補助金は、ツールの費用の負担を軽くする制度です。
どの業務に、どんなAIを入れるのかは、申請する会社が自分で決める必要があります。
IT導入支援事業者の多くは自社が登録したツールを提案する立場にある為、提案を受ける前に「何の業務を、どのくらい楽にしたいのか」を整理しておくと、ツールを比べやすくなる可能性があります。

整理といっても、最初は次の3つを書き出すだけで十分だと考えています。

書き出すこと あとで役に立つ場面
AIを入れたい業務 ツールが受け持つ業務プロセスと照らし合わせる
その業務にいま月何時間かかっているか 導入の前後を比べ、効果報告の材料にする
誰がツールを使うか 利用する人数と、導入研修が必要かを決める

特に、いまかかっている時間を数字で残しておくと、補助金を受け取ったあとの効果報告でも、社内で導入の成果を説明するときにも使うことができます。

整理の進め方は中小企業のAI導入の進め方で、相談先の選び方は中小企業のAI導入は誰に相談する?で解説しています。
導入したあとに社内でAIを使い続ける仕組みまで支援を受けたい場合は、伴走型AIコンサルとは?も参考になります。

まとめ


デジタル化・AI導入補助金2026は、AI機能を含む業務ソフトなどのITツールを導入する費用の一部を補助する制度です。
通常枠の補助率は1/2以内、補助額は5万円から450万円までで、研修やコンサルはソフトウェアとセットで導入する場合にだけ対象になります(出典:事務局「通常枠」・公募要領(通常枠)14ページ)。
申請はIT導入支援事業者と組んで行い、GビズIDの取得に2週間ほどかかります(出典:事務局「制度概要」・事務局「申請前の手続き」)。

まずは、どの業務にAIを入れたいのかを一文で書き出し、それがソフトの導入なのか、社員の研修なのかを分けるところから始めることを推奨します。

よくある質問


Q. ChatGPTやClaudeなどの生成AIの月額料金は対象になりますか?

A. 事務局にITツールとして登録されているものだけが対象です。
また、業種や業務を問わない汎用のツールだけでは申請できず、業務プロセスを持つソフトウェアと組み合わせる必要があります(出典:公募要領(通常枠)14〜15ページ)。
導入を考えているツールが登録されているかは、事務局のITツール検索で確かめることを推奨します。

Q. AI研修だけに使うことはできますか?

A. 通常枠では、研修などの役務だけでは申請できません。
研修は、申請するソフトウェアと対になっている導入研修であれば対象になります(出典:公募要領(通常枠)14ページ)。
社員の研修が目的であれば、人材開発支援助成金を検討することを推奨します。

Q. 交付決定の前に契約してしまった場合はどうなりますか?

A. 交付決定の前に契約・発注・支払いをした経費は、原則として補助の対象外です(出典:J-Net21(中小機構))。
見積もりを取るのはかまいませんが、契約は交付決定の通知を受けてから行う必要があります。

Q. 1年に何回申請できますか?

A. 通常枠は、交付申請の期間中に1法人1申請までです。
ただし、同じ期間にインボイス枠やセキュリティ対策推進枠を別に申請し、交付を受けることはできます(出典:公募要領(通常枠)20ページ)。
複数の枠に申請する場合は、IT導入支援事業者と相談しながら進めることを推奨します。

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