この記事でわかること
- パーソナルAIエージェント4つ(Muse・Grok Bot・ChatGPT dots・Claude Duet)のうち、日本で今使えるのはどれか
- 各エージェントが持つ「自分専用のクラウドPC」のスペックの違いと、そこから分かる得意なこと
- 何をさせたいかで選ぶ、4つの使い分け
- Grok Botを指揮役にしてClaude Codeを動かす使い方(弊社の実例)と、やってよい条件
「AIエージェントを、社内のどの仕事から任せるか一緒に決めたい」という方はこちら
2026年の秋は、「パーソナルAIエージェント」と呼ばれるサービスが各社から相次いで登場しました。
Metaの「Muse」、xAIの「Grok Bot」、OpenAIの「ChatGPT dots」、そしてAnthropicが10月21日に発表した「Claude Duet」です(出典:Claude「Introducing Claude Duet」)。
名前は違っても、どれも「AIが自分専用のパソコンをクラウド上に持ち、利用者が離れている間も作業を進める」という点は共通しています(出典:Meta・xAI・OpenAI・Anthropicの各公式)。
この記事は、社内でAIの活用を任されていて、「結局どれを試せばいいのか」を決めたい方に向けて書いています。
4つを日本で使えるか・料金・仮想PCのスペックで並べ、何をさせたいかで選ぶ切り口と、弊社が運用しているGrok BotとClaude Codeの組み合わせまで紹介します。
情報は2026年11月2日時点のものです。
比べた4つのエージェント(押すと各エージェントの説明へ移動します)
結論——日本で今使えるのは3つ、選ぶ軸は「何をさせたいか」
4つのうち、日本で今使えるのはMuse・Grok Bot・ChatGPT dotsの3つで、Claude Duetは米国だけで提供がされています。
3つの中では、Museだけが無料で始めることができます。
中身には違いがあるので、どれが優れているかよりも「何をさせたいか」で選ぶ方が、導入後の迷いが少ないと考えています。
| エージェント | 提供元 | 日本で使えるか | 最も安い入口 | 向いていること |
|---|---|---|---|---|
| Muse | Meta | 使える(公式) | 無料(上限あり) | 調べもの・予定の整理・Instagramの分析 |
| Grok Bot | xAI | 使える(App Store) | 月30ドル(約4,500円)(公式) | 複数のBotでの分業・開発の作業 |
| ChatGPT dots | OpenAI | 使える(公式) | Pro 月16,800円から(公式) | ChatGPTを中心にした日々の仕事 |
| Claude Duet | Anthropic | 使えない(米国のみ) | 米国のPro・Max・Ultraに含まれる(公式) | ー |
円の金額は、ドル建ての価格を1ドル=150円で計算した参考値です。
Botとは、指示された作業を自動で進めるAIの担当役のことで、Grok Botでは役割ごとに何体も作ることができます。
Grok Botは、xAIの有料の契約のうちPremium以上で使うことができます。

パーソナルAIエージェントとは?——自分専用のクラウドPCで、閉じても動き続けるAI
AIエージェントとは、指示を受けたAIが自分で手順を考え、調べものや操作を進めてくれる仕組みのことです(詳しくはAIエージェントとは?対話型生成AIとの違いを図解でやさしく解説)。
その中でも「パーソナル」と呼ばれる4つには、次の3つの共通点があります。
自分専用の
ブラウザを開き、
アプリを
決めた時刻の
スマホから
外出先から
3つは4社の公式に基づいて整理しました(出典:Meta・xAI・OpenAI・Anthropic)。
仮想PC(仮想マシン)とは、インターネットの向こう側に用意された、利用者ごとに区切られたパソコンのようなものです。
手元のパソコンを借りて操作するのではなく、AIの側が自分のパソコンを持っているので、ノートPCを閉じたりスマートフォンをしまったりしても、作業を続けることができます。
チャットで質問に答えるAIとの違いは、「答える」だけでなく、パソコンの上で「作業を最後まで進める」ところまで任せられる点です。
仮想PCのスペックを比べる——中身の違いが「得意なこと」に表れる
4つのツールとも「自分専用のPC」を持っていますが、その中身は公式にはほとんど公開されていません。
そこで弊社では、使える3つのエージェントに、自分の仮想PCのCPU(Central Processing Unit:計算や処理を行う部品)・メモリ・ディスク・OS(Operating System:パソコンを動かす基本ソフト)を画面上で尋ね、答えてもらいました。

| 項目 | Grok Bot | Muse | ChatGPT dots |
|---|---|---|---|
| CPU | Intel Xeon | AMD EPYC 9D25 | AMD EPYC 9V74 |
| CPUのコア数 | 8 | 2 | 9 |
| メモリ | 16GB | 約8GB | 約10.4GB |
| ディスク | 128GB | 約150GB | 約32GB |
| OS | Debian 13 | Ubuntu 24.04 | Debian 13 |
コア数は同時にこなせる処理の多さ、メモリは一度に広げておける作業の大きさ、ディスクはファイルを置ける量の目安です。
- Grok Botは、どれも厚めで、ターミナル(文字で命令を入力してパソコンを操作する画面)でプログラムを動かす作業まで想定した作りと考えられます。
- Museは、コア数が2つと軽い一方でディスクは最も大きく、ブラウザでの調べものや情報を溜めておく使い方に向いた作りと考えられます。
- ChatGPT dotsは、コア数は最も多い一方でディスクは約32GBと小さく、ファイルを溜めるより、その場で処理を進める使い方に向いた作りと考えられます。
ここでの期待値は「スペックが高い方が賢い」ではなく、「何をさせる前提の作りか」を読み取ることです。
答えの賢さは、仮想PCよりも、その上で動くAIのモデルで決まる部分が大きいからです。
また、これらは公式の仕様ではなく各エージェントが答えた値なので、時期やプランで変わる可能性があります。
Claude Duetは日本で使えず、作業中のブラウザを見ることもできないとされているので、比較に入れていません(出典:Claudeヘルプ「Get started with Claude Duet」)。
何をさせたいかで選ぶ——4つのパーソナルAIエージェントの使い分け
Muse——まず無料で試したい、調べものや予定の整理を任せたい
| 任せられること | ブラウザでの調べもの・GmailやGoogleカレンダーの整理・Instagramの投稿の分析 |
| 入口の料金 | 無料(上限あり) |
| Powerプラン | 月20ドル |
| Maximumプラン | 月100ドル |
| 向いている人 | AIエージェントを初めて試す人 |
Museは2026年10月23日に日本で提供が始まり、iOS・Android・Web(muse.ai)で使うことができます(出典:Meta 日本の提供開始の発表・料金はMetaヘルプ「Museサブスクリプションについて」)。
Instagramの投稿の分析を試した結果や、最初に見直す学習の設定はMuseとは?Metaのパーソナルエージェントでできること・料金・始め方で解説しています。
Grok Bot——複数のBotに仕事を分けたい、開発の作業まで任せたい
| 任せられること | 役割ごとのBotでの分業・ターミナルでの作業・決めた時刻の定期作業 |
| 入口の料金 | Premium 月30ドル(約4,500円) |
| 仮想PCの持ち方 | ユーザーごとに1台を、すべてのBotで共有 |
| 向いている人 | いくつかの仕事を、AIのチームに分けて回したい人 |
Grok Botの特徴は、役割の違うBotをチームとして動かせることです。
仮想PCはBotごとではなくユーザーに1台割り当てられ、ファイルや、ターミナルで使うログイン情報はすべてのBotで共有されます(出典:Grok Bot ドキュメント「Computer and apps」)。
料金と公式の実例はGrok Botとは?で詳しく解説しています。
ChatGPT dots——ChatGPTを仕事の中心にしていて、そのまま任せたい
| 任せられること | 繋いだアプリの見張りと下準備・ChatGPT WorkやCodexへの作業の受け渡し |
| 入口の料金 | Pro 月16,800円から |
| 法人の場合 | ChatGPT Businessのプレミアムシート(1人あたり月15,250円から・年額課金) |
| 向いている人 | ChatGPTの上位プランをすでに使っている人 |
dotsは、専用のクラウドコンピューターとブラウザを持ち、指示を待たずに動く常時稼働のエージェントです(出典:OpenAI「dots のご紹介」)。
無料版・Go・Plusでは使えず、個人はPro、法人はChatGPT Businessのプレミアムシートが必要です(出典:ChatGPT「料金」)。
プレミアムシートとは、ChatGPT Businessのうち利用枠の大きい上位の契約枠のことです。
できることの全体像とChatGPT WorkやCodexとの違いはChatGPT dotsとは?で整理しています。
Claude Duet——日本ではまだ使えない、提供の拡大を待つ
| 提供の形 | 研究プレビュー(正式提供の前の試験提供で、登録した人から順に案内される) |
| 提供の範囲 | 米国のPro・Max・Ultraの利用者のみ |
| 追加の料金 | プレビューの間はプランに含まれる |
Claude Duetは、Anthropicのパーソナルエージェントです(出典:Claude「Introducing Claude Duet」)。
公式ヘルプには、研究プレビューの間は米国のみで提供し、利用には米国のClaudeのアカウントが必要と書かれています(出典:Claudeヘルプ「Get started with Claude Duet」)。
日本で使えるようになるまでは、他の3つから選ぶことを推奨します。
一歩進んだ使い方——Grok Botを指揮役にして、Claude Codeを動かす(弊社の実例)
仮想PCにターミナルがあるということは、AIに「別のAIの道具」を入れて使わせることができるということです。
弊社では、Grok Botの仮想PCにClaude Code(Anthropicが提供する、ターミナルで動く開発用のAI)を入れ、Grok Botを指揮役にして動かしています。
Claude Codeそのものの使い方はClaude Codeとは?で解説しています。
依頼——手元のパソコンで運用していた分析とWeb公開を、スマホから実行可能にしたい
題材は、弊社メンバーが個人で運用している、企業の決算資料に解説をしてくれる学習ツールです。
これまでは手元のパソコンのClaude Codeに企業の情報を渡して分析し、その結果をサイトに上げて自己学習に用いていました。
これをスマホから気軽に回したい、とGrok Botに伝えてみました。

Grok Botは、既にあるBotのチームに「更新班」を1人追加し、スマホからGrok Botに証券コードを送ると、更新班が仮想PCでClaude Codeを動かして分析する、という形を提案してきました。
あわせて確認された3つの点(コードの置き場所・公開方法・ログイン方法)に答えるだけで、準備が進みました。
準備——Claude Codeを入れるのはGrok Bot、ログインと許可は人
Claude Codeを仮想PCに入れる作業は、Grok Botが自分で進めました。
人の担当は、GitHub(プログラムの保管場所)とClaudeのログインだけです。
Claudeのログインに使うトークン(ログインの代わりになる長い文字列)は、チャットではなく「シークレット」という専用の入力欄に貼る形で、Botには表示されない仕組みになっています(出典:Grok Bot ドキュメント「Computer and apps」)。

サイトの公開に使うサービスへのログインでは、Grok Botの方から「仮想PCのブラウザでログインして、許可まで押したら戻してね」と、人の操作を求めてきました。
「操作を引き継ぐ」から仮想PCのブラウザを開き、ログインと許可だけを人が済ませて戻します。

完成——スマホから一言送ると、5つの手順で分析から公開まで進む

準備が整うと、スマホからGrok Botに「〇〇(証券コード)の△期を追加して」と送るだけで、資料の取得・Claude Codeでの分析・検証・公開・報告の5つの手順を更新班が進める形になりました。
検証で引っかかったら公開せずに人へ確認する決まりも、Grok Botが自分で組み込んでいます。
人は「何を分析するか」を伝えて結果を確かめる役に回り、手を動かす部分はGrok BotとClaude Codeが受け持つ形です。


やってよい条件——規約で確かめた4つのこと
「できる」ことと「やってよい」ことは別なので、弊社では公式の文書で次の4つを確かめてから運用しています。
- 本人の契約で、改変していないClaude Codeにログインする。Anthropicは、他社の環境で動かす場合も含め、本人が自分のClaudeの契約で、改変していないClaude Codeにログインすることを妨げないとしています。ログイン情報を他人と共有することや、第三者がログイン情報を集めたり中継したりすることは認めていません(出典:Claude Code ドキュメント「Legal and compliance」)。
- ログインの文字列はチャットに貼らない。Grok Botの公式も、パスワードや確認コードを通常のチャットに貼らず、Botが求めたときの専用の入力欄を使うよう案内しています(出典:Grok Bot ドキュメント「Computer and apps」)。
- 仮想PCは米国にあり、全Botで共有されると理解しておく。Grok Botの仮想PCは米国で動いていて、同じユーザーのBot同士はセキュリティの境界になっていません(出典:Grok Bot ドキュメント「Security」)。
- 入れたソフトは消えることがある前提で使う。仮想PCの更新や初期化で、自分で入れたアプリが消えることがあると公式に書かれています(出典:Grok Bot ドキュメント「Computer and apps」)。
弊社の例は、公開して困らない情報を扱う、個人の運用での使い方です。
顧客の情報や社外秘のコードを扱う場合は、各社の規約と社内のルールを確かめてから、範囲を絞って始めることを推奨します。
会社で使う前に決めること——パーソナルAIエージェントの3つのルール
パーソナルAIエージェントは個人向けの提供が中心なので、業務で使う場合は、次の3つを先に決めておくと安心です。
渡す権限は
個人の仕事で
顧客の情報は
データの置き場所と
送信と公開の
「いつも許可」に
1つ目は、個人の仕事でうまく回ることを確かめてから業務の権限を渡す順番にすると、事故が起きたときの影響を小さく抑えることができます。
3つのルールは、社内の「生成AIの利用ルール」に1行ずつ加えていく形が続けやすいと考えています(土台の作り方は生成AIの社内ルール・利用ガイドラインの作り方)。
まとめ——まずはMuseで試し、任せたい仕事が決まったら選び直す
日本で今使えるパーソナルAIエージェントは、Muse・Grok Bot・ChatGPT dotsの3つです(出典:Meta・App Store・OpenAIヘルプ)。
初めてなら無料のMuseで「AIに作業を任せる」感覚をつかみ、任せたい仕事がはっきりしてから、分業や開発ならGrok Bot、ChatGPTが中心ならdots、という順に選び直すことを推奨します。
どのエージェントを選んでも、効果を左右するのは「何を任せ、どこで人が確かめるか」を先に決めておくことだと考えています。
よくある質問(FAQ)
Q. Claude Duetは日本で使えますか?
A. 2026年11月2日時点では使えません。
研究プレビューの間は、米国のClaudeのアカウントを持つPro・Max・Ultraの利用者に、ウェイトリストで順に提供されています(出典:Claudeヘルプ「Get started with Claude Duet」)。
Q. 無料で試せるパーソナルAIエージェントはありますか?
A. 4つの中ではMuseだけが、使用制限付きの無料プランで試すことができます(出典:Metaヘルプ「Museサブスクリプションについて」)。
Grok BotはPremium(月30ドル)以上(出典:xAI「料金」)、ChatGPT dotsはPro(月16,800円から)またはBusinessのプレミアムシートが必要です(出典:ChatGPT「料金」)。
Q. Grok BotにClaude Codeを入れて使うのは規約違反になりませんか?
A. Anthropicは、ホストされた環境も含めて、利用者本人が自分の契約で改変していないClaude Codeにログインすることを妨げないとしています(出典:Claude Code ドキュメント「Legal and compliance」)。
ログイン情報を他人と共有しないこと、業務で使う場合は扱う情報の範囲を社内で決めてから始めることを推奨します。
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株式会社Orcaは中小企業向けに、完全カスタムのAI研修と伴走型のAI活用支援を提供しています。
「パーソナルAIエージェントを試したいが、社内のどの仕事から任せるか決められていない」という段階で構いません。お気軽にご相談ください。
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