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AIへの指示はJSON形式で渡すと精度が上がる——理由と使い方をやさしく解説【2026年8月版】

この記事でわかること

  • 同じ内容の指示を「文章」と「JSON」で渡すと、生成結果がどう変わるか(実際の比較画像つき)
  • 情報量が同じなのに差が出る理由——文章だと条件が溶けて一部が無視される
  • いちばん簡単な使い方——プロンプトに1行足すだけ。自分でJSONを書く必要はない
  • JSONとは何か。3つのルールだけ覚えれば非エンジニアでも読める
  • JSONで指示すると効く場面・かえって遠回りになる場面の見分け方

「AIの出力が安定しない」「社内で使い方を揃えたい」という方はこちら

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AIに同じようなことを頼んでいるのに、出てくるものの質が毎回違う。
「もう少しこうしてほしい」を伝えるたびに、今度は別のところが崩れる。
生成AIを業務で使い始めた方から、この相談を本当によくいただきます。

原因の多くは、AIの性能ではなく指示の渡し方にあります。そして解決策のひとつが、指示をJSON形式にして渡すという方法です。

結論:JSONは「AIが指示を読み違えない形」にするための書式


先に結論からお伝えします。
JSONは、AIに指示を渡すときに「どの条件が、何に掛かっているのか」を確定させるための書式です。
文章で書いた指示は、人間には読めてもAIには複数の解釈ができてしまうことがあります。
その解釈のブレが、そのまま出力のブレになります。

ここで多くの方が誤解するのが、「JSONにすると細かく指定できるから良くなるのでは?」という点です。
それも一部ありますが、本質ではありません。
まったく同じ情報を渡しても、文章とJSONでは結果が変わります。
実際に比べてみましょう。

検証:同じ内容を「文章」と「JSON」で渡し比べてみる


新入社員研修の告知ポスターを題材にします。
比較を公平にするため、指定している条件は完全に同じにしました。用途・対象・雰囲気・構図・配色・文字要素・スタイル・サイズ・避けるもの、どちらにも同じ9項目が入っています。
違うのは書き方だけです。

パターンA:文章で渡した場合

# パターンA:ふつうの文章

入社1年目の社員に向けた新入社員研修の社内告知ポスターを
A4縦で作ってほしい。明るく前向きな雰囲気で、研修に参加する
若手社員を中央に置き、上部に見出しのスペースを取って、白と青
を基調に黄色を差し色にした、写実的な写真ではないフラット
イラストで、見出しは「新入社員研修のご案内」、日時と場所を
入れる余白も残して、暗い配色や細かい文字、実在の企業ロゴは
避けてください。
文章で指示して生成した新入社員研修の告知ポスター(パターンA)

パターンB:JSONで渡した場合

# パターンB:同じ条件をJSONで

{
  "用途": "新入社員研修の社内告知ポスター",
  "対象": "入社1年目の社員",
  "雰囲気": "明るく前向き",
  "主役": "研修に参加する若手社員",
  "構図": "中央に人物、上部に見出しスペース",
  "配色": {
    "基調": ["白", "青"],
    "差し色": "黄"
  },
  "文字要素": {
    "見出し": "新入社員研修のご案内",
    "余白": "日時・場所を入れるスペースを残す"
  },
  "スタイル": "フラットイラスト(写実的な写真は不可)",
  "サイズ": "A4縦",
  "避けるもの": ["暗い配色", "細かい文字", "実在の企業ロゴ"]
}
同じ条件をJSON形式で指示して生成した新入社員研修の告知ポスター(パターンB)

💡 ここが大事

AとBは指定している条件がまったく同じです。情報を足していません。文章を項目に分けただけで結果が変わるのであれば、差を生んでいるのは情報量ではなく形式だということになります。

どこが違ったのか——並べて見ると3か所

正直に言うと、ぱっと見の印象は似ています。
どちらも指示した条件は満たしていて、そのまま使える仕上がりです。
ただ、2枚を並べて細部を見ると、解釈が分かれた箇所が特定できます

見るところ A(文章) B(JSON)
見出しの文字色 「新入社員」濃紺 →「研修」水色 →「のご案内」濃紺と、1つの見出しの中で3回変わる すべて濃紺で統一されている
中央の人物 5人がほぼ横並び。立っている人物はやや後方で、主役が定まっていない 立っている1名が最前面かつ中央。視線の集まる先が明確
日時・場所の欄 白い枠に円形のラベル。「余白を空けた」という作り 青い帯にカレンダーと地図ピンのアイコン。「記入欄」として設計されている

① 見出しの文字色——「青」がどこに掛かったか

いちばん分かりやすいのがここです。
Aでは「白と青を基調に黄色を差し色にした」の「青」が、背景だけでなく見出しの文字にも適用されました。その結果、「研修」の2文字だけが水色になり、1つの見出しの中で色が3回変わっています。
Bでは "配色" の中で "基調""差し色" が分かれていたため、色の役割が先に確定し、見出しは濃紺で統一されました。

どちらの指示にも「見出しの文字色」は書いていません。書いていない部分をAは文章の流れで、Bは構造で解釈した——その差です。

② 「中央に人物」——配置の意味が分かれた

同じ「中央に人物」でも、Aは画面の中央あたりに人を集める、Bは主役を中央に据えると解釈しています。
Bは立っている人物が最前面に出て指を立てており、誰を見ればいいかが一目で分かります。Aは5人が均等に並んでいるぶん、視線が散ります。

③ 「日時・場所の余白」——空けるのか、作るのか

「日時と場所を入れる余白も残して」という条件を、Aは余白を空ける、Bは記入欄として作ると受け取りました。
Bにはカレンダーと地図ピンのアイコンが付いており、何を書く欄なのかが説明なしで伝わります。掲示物としてはBのほうが手直しの手間が少なくなります。

⚠️ 正直なところ、劇的な差ではありません

Aも十分に使えるポスターです。これは文章の方にも9つの条件をすべて書き込んだからで、裏を返せば条件を漏れなく書き切れるなら文章でも成立します
JSONの価値は1回の出来映えよりも、毎回それを漏れなく書けるか・後から一部だけ直せるか・人に渡せるかにあります。次の章で、その理由を分解します。

なぜ同じ情報なのに差が出るのか——3つの理由


理由①:文章は「どの条件がどこに掛かるか」が曖昧になる

パターンAのこの部分を、もう一度読んでみてください。

「白と青を基調に黄色を差し色にした、写実的な写真ではないフラットイラストで」

「白と青を基調に」はポスター全体のことでしょうか、それともイラスト部分だけでしょうか。
「明るく前向きな雰囲気」の「明るく」は感情のトーンか、色の明度か。
人間なら文脈で察しますが、この文には確定させる情報がありません。

AIは複数の解釈のうちどれかを選ぶことになり、その選択が毎回同じとは限りません。
実際、パターンAでは「青」が見出しの文字にも適用され、途中で色が変わりました。

パターンBでは、"配色" の中に "基調""差し色" が入れ子で書かれています。
どの色がどの役割なのかを、書式そのものが確定させてくれる。
これがJSONで指示を渡す最大の効果です。

理由②:長い文章では、途中の条件が埋もれる

文章の指示は、読み進めるうちに前半の条件が薄まります。
パターンAで言えば「A4縦」は冒頭近く、「実在の企業ロゴは避ける」は末尾にあり、その間に7つの条件が挟まっています。
こうした構造では、中盤や末尾の条件ほど反映されにくくなる傾向があります。

JSONは1条件1行で並列に並びます。
どの項目も同じ重みで置かれているため、順番による埋没が起きにくくなります。
条件が5つを超えたあたりから、この差ははっきり出てきます。

理由③:AIにとって、構造化されたテキストは扱い慣れた形

生成AIは学習の過程で、大量のプログラムコードや設定ファイルを読んでいます。
JSONはその中でも最もよく使われる書式のひとつで、AIにとっては見慣れた形です。

それだけでなく、AIの内部でも実際にJSONが使われています
AIが外部ツールを操作するとき(カレンダーに予定を入れる、社内システムを検索する、など)、その操作の指示はJSONの形でやり取りされます。
AIと外部サービスをつなぐ規格として広がっているMCP(Model Context Protocol)も、通信の土台にJSON-RPC 2.0というJSONベースの方式を採用しています。

つまりJSONは、AIが日常的に読み書きしている「共通語」です。
その形式で指示を渡すのは、相手が慣れた形に合わせてあげる行為だと考えてください。

AIが自分で判断して作業を進める仕組みそのものについては、AIエージェントとは?対話型生成AIとの違いを図解でやさしく解説で整理しています。

いちばん簡単な使い方:プロンプトに1行足すだけ


ここまで読んで「毎回あのJSONを書くのか」と思われたかもしれませんが、その必要はありません。
「一度、指示をJSON形式に整理してから始めて」と付け足すだけで十分です。

# そのまま使える1行

(いつもの依頼)
一度、指示をJSON形式に整理してから始めて。

こう伝えると、AIはいきなり作り始めず、先ほどのパターンBのようなJSONを組み立てて見せてくれます。
ここでポイントになるのが、自分が指定し忘れていた条件が目に見えることです。

実務では、そもそも条件を全部書き出せていないことの方が多いはずです。
「サイズを決めていなかった」「文字を入れる余白のことを考えていなかった」——指定しなかった項目は、AIが勝手に決めます。その判断が想定と違うから、「イメージと違うものが出てきた」が起きます。
AIにJSONで整理させると、その空欄が先に見えます。

この使い方で得られる3つのこと

抜けが見える:指定し忘れていた条件が、空欄として目に見える

部分的に直せる:気になる項目だけを差し替えて作り直せる

再現できる:良い結果が出たJSONを保存すれば、次も同じトーンで作れる

3つ目が、実務では特に大きい効果です。
文章のプロンプトが「一発勝負」なのに対して、JSONの指示は資産として貯まっていきます。
社内で共有すれば、担当者が変わっても同じ品質のものが作れます。

JSONとは?——読むだけなら3つのルールで足りる


使い方が分かったところで、JSONそのものについても最小限を押さえておきましょう。
AIが整理してくれたJSONを読んで、直せるようになれば十分です。

JSONは「JavaScript Object Notation(ジェイソン/ジャバスクリプト・オブジェクト記法)」の略です。
2000年代初頭にDouglas Crockford氏によって整理・提唱され、その後インターネット標準として文書化されました。
現在の仕様は RFC 8259ECMA-404(いずれも2017年の版)で定められており、拡張子は .json です。
名前にJavaScriptと入っていますが、現在はプログラミング言語を問わず使われる言語中立のデータ交換形式です。

ルール①:「項目名:値」のセットを波かっこで囲む

# いちばん基本の形

{
  "会社名": "株式会社〇〇",
  "担当者": "山田 太郎",
  "金額": 250000,
  "決裁者同席": true
}

左が「項目名(キー)」、右が「中身(値)」。間はコロンで区切り、次の項目との間はカンマで区切ります。
Excelの1行を、列名つきで縦に並べ直したものという理解でほぼ正確です。
項目名は日本語のままで構いません。AIへの指示に使う分には、そのほうが自分で読みやすくなります。

ルール②:値に使えるのは6種類だけ

種類 書き方 読み方
文字列 "明るく前向き" ダブルクォートで囲む。シングルクォートは不可
数値 250000 クォートで囲まない。囲むと文字列になる
真偽値 true / false はい/いいえ。すべて小文字
null null 「指定なし」を明示する
オブジェクト { ... } 入れ子にできる。「配色」の中に基調と差し色、など
配列 [ ... ] 複数を並べる。避けるものの列挙など

先ほどのパターンBで "配色" の中に "基調""差し色" を入れられたのは、オブジェクトの入れ子が使えるからです。
この「役割を分けて書ける」ことが、文章との決定的な違いになります。

ルール③:書けないものがある

JSONに書けないもの

コメント// メモ のような注記は入れられない)

最後のカンマ(最終項目の後にカンマを置くとエラー)

シングルクォート'青' は不可。必ず "青"

計算式・関数(Excelの =SUM() のようなものは書けない)

ただし、チャット欄にJSONを貼り付けて指示する分には、多少形式が崩れていてもAIは読み取ってくれます。
厳密さが求められるのは、後述する「システムに渡す」場面です。
まずは項目に分けて書くことのほうが重要だと考えてください。

なお、拡張子や「テキストファイルなのに意味がある」という感覚がまだピンと来ない方は、mdファイル(.md)とは?開き方・作り方をやさしく解説もあわせてどうぞ。

JSONで指示すると効く場面・かえって遠回りな場面


何でもJSONにすればいいわけではありません。
判断の基準は「条件が3つ以上絡むか」「同じことを繰り返すか」の2点です。

JSONで指示すると効く 文章のままでいい
画像・動画・スライドの生成(条件が多い) 「この文章を要約して」など単発の依頼
同じ形式の資料を繰り返し作る 相談・壁打ち・アイデア出し
社内で指示を共有・標準化したい 会話しながら方向性を詰めていく場面
大量のデータを同じ観点で処理する 一度きりで、再現する必要がない作業
AIの出力を他のツールに渡す 自分が読んで終わりの出力

壁打ちや相談の場面でJSONを使うと、かえって窮屈になります。
会話で詰めていって方向性が固まったら、そこで「ここまでの内容をJSONに整理して」と頼んで保存する——この順番が実務では自然です。

出力をJSONで受け取るケース

ここまでは「指示を渡す側」の話でしたが、逆にAIの答えをJSONで返してもらう使い方もあります。
メールや議事録から決まった項目を抜き出してスプレッドシートに貯める、問い合わせ100件を種別ごとに仕分ける、といった場面です。

この場合も考え方は同じで、空のJSONを先に渡して「この枠を埋めて」と伝えると、項目名がぶれず安定します。
ZapierやGoogle Apps Scriptなどで受け取って自動処理につなげる場合は、この形式が実質的に唯一の選択肢になります。

# 出力をJSONで受け取るときのプロンプト例

以下のメール本文から、必要な項目を抜き出してください。

【出力形式】
下記のJSONだけを出力してください。説明文・前置き・
コードブロックの記号は一切付けないでください。
値が読み取れない項目は null にしてください。

{
  "会社名": "",
  "担当者名": "",
  "案件名": "",
  "金額": 0,
  "希望納期": "YYYY-MM-DD",
  "決裁者の同席": false
}

【メール本文】
(ここに貼り付け)

⚠️ ここは誤解しやすい

JSONで受け取ると形式は整いますが、中身が正しいかどうかは別問題です。きれいに整ったJSONの中に、AIが作った誤情報が入っていることは普通にあります。「JSONで返ってきたから正確」ではありません。

まとめ:まずは「JSONに整理してから」の1行から


この記事のポイント

同じ情報を渡しても、文章とJSONでは結果が変わる。差を生むのは形式

理由は3つ——係り受けが確定する/条件が埋もれない/AIが慣れた形

自分で書けなくてよい。「一度JSONに整理してから始めて」と1行足すだけ

効くのは条件が3つ以上絡む場面。壁打ちや単発の依頼には不要

良い結果が出たJSONは保存する。指示が資産として貯まる

形式が整っても中身の正しさは別。事実確認は人がする

AI活用が伸び悩む会社に共通しているのは、指示の出し方が人によってバラバラで、社内に貯まっていかないことです。
JSONで指示を書き残す習慣は、その解決策のひとつになります。
次にAIへ何かを頼むとき、末尾に1行だけ足してみてください。出力の変化はすぐに分かります。

よくある質問(FAQ)


Q. JSONで指示すると、本当に精度が上がりますか?

A. 「AIが賢くなる」わけではありません。指示のあいまいさが減るぶん、意図どおりの結果になりやすくなるという効果です。
条件が1つしかない単純な依頼では、体感できるほどの差は出ません。
効果がはっきり出るのは、画像生成や資料作成のように指定すべき条件が多い場面です。
なお生成AIには実行のたびに揺らぎがあるため、1回の比較だけで判断せず、何度か試して傾向を見てください。

Q. JSONを自分で書けないと使えませんか?

A. 書けなくて大丈夫です。
「一度、指示をJSON形式に整理してから始めて」と伝えれば、AIが整理してくれます。
あなたがやるのは、出てきたJSONを読んで直したい項目だけ書き換えることだけです。項目名も日本語のままで構いません。

Q. 画像生成AIはJSONに対応しているのですか?

A. 「JSONでなければ受け付けない」という仕組みではありません。文章のままでも動きます。
これは指示を整理して、自分と相手(AI)の認識を揃えるための書き方です。
対応・非対応の話ではないので、お使いのツールを問わず試せます。

Q. JSONは何と読みますか?

A. 「ジェイソン」と読みます。JavaScript Object Notation の略です。
名前にJavaScriptと入っていますが、現在はプログラミング言語を問わず使われる、独立したデータ形式です。

Q. YAMLやMarkdownで指示するのとは違いますか?

A. 目的は同じで、指示を項目に分けて構造化することが本質です。
見出しと箇条書きで整理したMarkdownでも、同じ効果は得られます。
JSONが優れているのは、入れ子で役割を分けられる点と、後でツールに渡したりプログラムで処理したりできる点です。
「自分が読むだけ」ならMarkdown、「システムにも渡すかもしれない」ならJSON、と考えてください。

Q. 社内で使い方を揃えるには、どうすればいいですか?

A. 良い結果が出たJSONを、そのまま社内の共有フォルダに保存するのがいちばん簡単です。
「販促バナー用」「研修資料用」のように用途ごとに1ファイル置いておけば、担当者が変わっても同じ品質のものが作れます。
プロンプトを文章で共有するより、項目が分かれているぶん引き継ぎやすくなります。

※本記事の仕様に関する記述は2026年8月時点のものです。各AIサービスは更新が頻繁なため、詳細は公式ドキュメントでの確認をおすすめします。

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