この記事でわかること
- Anthropicが「Claude Tag」をSlack向けにベータ提供——@Claudeで業務を委譲できる”AI同僚”が登場(6/23)
- Notionが「External Agents」を展開——Claude・Cursor・Codexなどをワークスペースのメンバーとして@メンション可能に
- GoogleがGemini 3.5 Flashに「Computer Use(画面操作)」を内蔵——ブラウザ・モバイル・デスクトップを自動操作(6/24)
- OpenAIがGPT-5.5 Instantを更新——意図理解・複数ターンの文脈維持・位置情報活用が向上(6/24)
- Sakana AIの「Fugu」が複数モデルを束ねる新方式で登場・GensparkがClaude Opus 4.7搭載の「Genspark Design」を発表
「自社でもAIを活用していきたい」という方はこちら
AIサービスの詳細・無料相談はこちら →今週(6/20〜6/26)のAI主要アップデート概要
2026年6月22日から26日の1週間は、「AIをチームの一員として業務ツールの中に常駐させる」という方向性がはっきり見えた週でした。
SlackにClaudeが住み着く「Claude Tag」、Notionに外部エージェントが参加できる「External Agents」、そしてGeminiがPCを直接操作する「Computer Use」。
いずれも、AIを”別のアプリで使う”段階から、”いつもの業務ツールの中で一緒に働く”段階へと進めるアップデートです。
| 提供元 | 主なアップデート | 日付 |
|---|---|---|
| Anthropic(Claude) | Claude TagをSlack向けにベータ提供(AI同僚) | 6/23 |
| Notion | External Agents展開(Claude・Cursor等が参加) | 6月 |
| Google(Gemini) | Gemini 3.5 FlashにComputer Use内蔵(プレビュー) | 6/24 |
| OpenAI(ChatGPT) | GPT-5.5 Instant更新/長文ペーストの添付化を無料・Goにも | 6/22・6/24 |
| Sakana AI | 複数モデルを束ねる「Fugu / Fugu Ultra」リリース | 6/22 |
| Genspark | Claude Opus 4.7搭載「Genspark Design」発表 | 6/24 |
Anthropic(Claude)——Claude TagがSlackに”AI同僚”として常駐
Claude Tagとは?Slackで@Claudeに仕事を任せられる
6月23日、Anthropicが「Claude Tag」をSlack向けにベータリリースしました。
これは、SlackのチャンネルにClaudeをチームメンバーとして参加させられる機能です。
使い方はシンプルで、「@Claude ◯◯をやって」とタグ付けするだけ。Claudeがタスクを段階的に分解し、接続されたツールを使って実行し、スレッド内に結果を返してくれます。
ポイントは「チャンネル内に1人のClaude」という設計です。
そのClaudeはチャンネルの全員と同じコンテキスト(文脈)を共有するため、誰かが途中まで頼んだ作業を、別のメンバーがそのまま引き継ぐこともできます。
さらに「Ambient(アンビエント)動作」をオンにすると、静かなスレッドにClaudeが自発的にフォローアップし、必要そうな情報を先回りして共有してくれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象プラン | Claude Enterprise・Teamプラン(ベータ提供) |
| 利用モデル | Claude Opus 4.8 |
| できること | PR作成・データ分析・インシデント対応などのタスク委譲 |
| 特徴 | チャンネル内で文脈を共有・将来のタスクも計画可能 |
Anthropic社内ではすでにプロダクトチームのコードの約65%が、内部版のClaude Tagから生み出されているとのことです。
「AIに頼む」が一部のエンジニアだけの作法ではなく、チーム全員の標準の動き方になりつつあることを示す数字です。
これが使えるシーン:
Slackで業務を回している企業なら、「議事録を要約して」「この問い合わせの一次返信を下書きして」「先週の数字をまとめて」といった依頼を、普段のチャンネルの中で完結できます。AIを別タブで開く手間がなくなるのが効きます。
引用元:Anthropic公式発表「Introducing Claude Tag」
Notion——External Agentsで外部AIがワークスペースの一員に
Notion External Agentsとは?Claude・Cursorをチームに招ける
Claude Tagと同じ方向性の動きが、Notionでも進んでいます。
Notionは「External Agents(外部エージェント)」を展開し、ClaudeやCursorなどの外部AIエージェントを、Notionのチームワークスペースに直接参加させられるようにしました。
※この外部エージェントAPIは5月に発表され、6月にかけて対応エージェント・提供範囲が広がっています。
主な特徴は次のとおりです。
・共有ボードからエージェントにタスクを割り当て、チームメイトのように@メンションできる
・複数のジョブを並行実行したり、スケジュール実行したりできる
・エージェントごとにコンテキストと権限を個別設定でき、チーム全体で実行状況を可視化
・ノートPCを閉じた後も、エージェントが自律的に作業を継続
対応するエージェントは、AnthropicのClaude(Claude Code)、AnysphereのCursor、OpenAIのCodexなど。
現時点ではBusiness・Enterpriseプラン向けのベータ提供(順次拡大)で、ワークスペースの管理者が有効化する形です。
Notionが、単なるドキュメントツールから「人間とAIエージェントが一緒に働く場所」へと進化しているのがよくわかります。
これが使えるシーン:
Notionでタスク管理やナレッジ蓄積をしているチームなら、調査・下書き・データ整理といった作業を、担当者に振るのと同じ感覚でAIに割り当てられます。
「依頼→放置→完成を確認」という流れを、いつものボード上で回せます。
引用元:Notionヘルプ「Use Claude agents in Notion」
Google(Gemini)——Gemini 3.5 Flashが画面を直接操作
Computer Useが3.5 Flashに内蔵——ブラウザ・モバイル・デスクトップを自動操作
6月24日、GoogleはGemini APIで「Computer Use(コンピュータ操作)」ツールを、Gemini 3.5 Flashの組み込み機能として公開プレビュー開始しました。
これにより、AIエージェントが実際のコンピュータ操作(ブラウジング・クリック・入力など)を行えるようになります。
これまでは単体の「Gemini 2.5 Computer Use」モデルとして提供されていましたが、今回主力の3.5 Flashに統合された点が大きな進化です。
1つのエージェントが、画面を見る → 検索で調べる → 地図を操作するといった一連の動作を、モデルを切り替えずに連続で行えるようになりました。
対応環境はブラウザ・モバイル・デスクトップと幅広く用意されています。
企業利用を意識し、安全面の作り込みも進んでいます。
具体的には、設定可能なセーフティポリシー、機密・不可逆な操作の前にユーザーの明示的な確認を求める仕組み、そしてプロンプトインジェクション(不正な指示の埋め込み)の検知機能を搭載。攻撃を検知するとタスクを自動停止します。
これが使えるシーン:
在庫サイトの定期チェック、複数の管理画面をまたいだ入力作業、Web上の情報収集など、「人がブラウザで手作業していたルーティン」をエージェントに任せる用途が現実的になってきました。現時点では開発者・企業向けのプレビューですが、業務自動化の幅を大きく広げる機能です。
引用元:Google公式ブログ「Introducing computer use in Gemini 3.5 Flash」
OpenAI(ChatGPT)——GPT-5.5 Instant更新&長文ペーストの自動添付化
GPT-5.5 Instantを更新——意図理解と”会話の質”が向上
6月24日、OpenAIはChatGPTで最も使われている標準モデル「GPT-5.5 Instant」を更新しました。
今回の更新はベンチマークの数値よりも、日常的な”会話の質”の向上にフォーカスしています。
主な改善点は次のとおりです。
・意図の理解:
質問の背後にある”本当のゴール”をより正確に汲み取り、複数ターンにわたる文脈を維持する
・複雑な指示への追従:
複数の制約を含む依頼でも、すべての条件を満たしたうえで「なぜその提案が適切か」を説明する
・位置情報の活用:
飲食店やローカルビジネスを尋ねたとき、近くの関連性の高い候補を提示できる
・表現の自然さ:
テンプレート的な定型文が減り、まとまりのある自然な回答に
意思決定・アドバイス・計画・リサーチ・ショッピングといった実用的な相談シーンで体感差が出やすい更新です。
普段ChatGPTを”壁打ち相手”として使っている方ほど、応答の手触りの変化に気づきやすいでしょう。
長文ペーストの自動添付化が無料・Goプランにも拡大(6/22)
地味ですが効く改善も入りました。
6月22日から、ChatGPTの無料プラン・Goプランでも、1万文字を超える長文をペーストすると自動的に「添付ファイル」として扱われるようになりました(従来は5,000文字超で添付化)。
これにより入力欄(コンポーザー)がすっきり保たれ、長文の貼り付けがコンテキストウィンドウを圧迫するのを防ぎます。
添付された後でも「Show in text field」を押せば本文に戻せます。
Plus・Pro・Businessプランでは以前から1万文字基準で同じ挙動だったため、無料・Goユーザーにも同水準の使い勝手が広がった形です。
引用元:ChatGPTリリースノート(OpenAI Help Center)
そのほかの注目トピック——Sakana Fugu・Genspark Design
Sakana AI「Fugu / Fugu Ultra」——複数モデルを束ねる”指揮者”型
6月22日、日本のSakana AIが「Sakana Fugu」(および上位版「Fugu Ultra」)をリリースしました。
これは、Fugu自体が1つのモデルとして振る舞いながら、内部でGPT-5.5・Claude Opus 4.8・Gemini 3.1 Proなど複数のフロンティアモデルを動的に選び・委譲・検証・統合する「指揮者(conductor)」型の仕組みです。
ICLR 2026の論文(TRINITY / Conductor)に基づく学習型のオーケストレーションを採用しています。
OpenAI互換APIで利用でき、特定モデルへの依存・輸出規制リスクをヘッジできる設計が特徴です。
一方で、公開後の実環境テストでは難問で応答に長い待ち時間(数十分規模)が発生するとの報告もあり、用途に応じた使い分けが現実的でしょう。
なお、Fuguについては当ブログで単独の速報記事も公開しています。
詳しくは「Sakana AI のFuguとは?」の記事をご覧ください。
Genspark Design——Claude Opus 4.7搭載のオールインワン制作ツール
6月24日、Gensparkが「Genspark Design」を発表しました(旧Genspark Build Preview+AI Designerを統合・リブランド)。
搭載モデルはClaude Opus 4.7。UIプロトタイプ・動画・HTMLアニメーション・ポスターなど、多様なクリエイティブを1つのツールで制作できます。
独自のデザインシステムを維持でき(Figmaファイルをアップロードしてブランドの一貫性を保てる)、作ったデザインをワンクリックで実働コードに変換(Genspark Code連携)できる点が実務的です。
ローンチ記念で大幅なクレジット割引キャンペーンも実施中。なお従来の「Photo Genius」は廃止されています。
これが使えるシーン:
LPバナーや提案資料のビジュアル、簡単なプロトタイプを「言葉で指示するだけ」で形にしたい非デザイナーに向きます。デザインから実働コードまで一気通貫なのが強みです。
まとめ——今週の注目ポイント
今週のキーワードは、ひとことで言えば「AIがチームの一員になる」です。
Claude Tag(Slack)とNotion External Agentsは、AIを”別のアプリで開いて使うもの”から、普段の業務ツールの中に常駐させて@メンションで頼むものへと変えました。
Gemini 3.5 FlashのComputer Useは、AIが画面を直接操作して人の手作業を肩代わりする世界を、開発者の手元に届けています。
SlackやNotionでチームの業務を回している会社にとっては、Claude Tag・External Agentsが「AIを社内に組み込む」具体的な第一歩になります。「どの業務から任せるか」を考え始めるのに良いタイミングです。
よくある質問(FAQ)
Q. Claude Tagはどのプランで使えますか?
A. 現時点ではClaude EnterpriseプランとTeamプラン向けのベータ提供です。
利用モデルはClaude Opus 4.8で、Slackのチャンネルに@Claudeとして参加させて使います。
無料・Proプランへの提供は現時点では発表されていません。
Q. Notion External Agentsは誰でもすぐ使えますか?
A. 現時点ではBusiness・Enterpriseプラン向けのベータ提供で、順次拡大中です。
ワークスペースの管理者が機能を有効化し、エージェントごとに権限を設定する必要があります。
対応エージェントはClaude(Claude Code)・Cursor・Codexなどです。
Q. Gemini 3.5 FlashのComputer Useは安全ですか?
A. 企業利用を想定した安全機能が用意されています。
具体的には、設定可能なセーフティポリシー、機密・不可逆な操作の前にユーザー確認を求める仕組み、プロンプトインジェクションの検知(検知時はタスクを自動停止)などです。
ただし現時点では開発者・企業向けの公開プレビュー段階のため、重要な操作は人の確認を挟む運用が安心です。
Q. GPT-5.5 Instantの更新で何が変わりますか?
A. ベンチマークの数値ではなく、日常的な会話の質が向上しました。
質問の背後にあるゴールの理解、複数ターンの文脈維持、複雑な指示への追従、位置情報を活かした提案などが改善されています。
意思決定・相談・リサーチ・ショッピングといった実用シーンで体感しやすい更新です。
Q. ChatGPTの長文ペースト添付化は無料プランでも使えますか?
A. はい。6月22日から無料プラン・Goプランでも、1万文字を超える長文は自動的に添付ファイルとして扱われるようになりました(従来は5,000文字超)。
入力欄がすっきり保たれ、コンテキストの圧迫を防げます。「Show in text field」でいつでも本文に戻せます。
弊社では中小企業向けにAI活用支援を行っております。
「自社でもこういった仕組みを作りたい」「まず何から始めればいいかわからない」という方は、
お気軽にご相談ください。
コメント